ザ・スクエア 思いやりの聖域

 


映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』予告編

長かった。コンパクトに収める思いやり欲しかった。
場面場面はつまんなくはないけど、映画全体がミニマル音楽ばりに起伏が無くて、終わりがイメージできなくて、これいつ終わるん?まだ?って思った。
この記事書くために予告編を見直してみたら、予告編の方が起伏あるように編集されててテンション上げさせたところで終わるようになってる。

ストーリーの順番入れ替えたらもっとおもしろくなるかな。

ザ・スクエア自体はあまり出てこなかったのは思ってたのと違った。舞台みたいに、そこ起点で進む話やと思ってた。

螺旋階段とか部屋に掛けられた絵とかにスクエアが使われてたから、ザ・スクエアはどこにでもあると、そういうことだったのでしょうけれど。

君の名前で僕を呼んで/Call Me By Your Name


Call Me By Your Name | Official Trailer HD (2017)

 

君の名前で僕を呼んで」って邦題は、頓珍漢な邦題が多い中では悪くない。

でも、カタカナで「コール・ミー・バイ・ユア・ネーム」にして欲しかった。

チケット買うとき「君の名前で僕を呼んで」って言うの恥ずかしくない?

だからチケット買うとき「コール・ミー・バイ・ユア・ネーム」って言ってみたら、それはそれで変な空気になった。

 

この映画は、80年代の北イタリアが舞台で、地中海性気候の光で絵が綺麗だった。

屋外はもちろん、屋内も光の取り込み方が綺麗だった。

 

Psychedelic Fursがかかるダンスシーンが良かった。

この前タナソーが、新譜だけじゃなく古いのも聴かなあかんってツイートしてて、それに影響されてなんか古いのも聴こうってSpotifyでダウンロードしたうちの一つがPsychedelic Fursだった。

ダンスシーンでかかったとき、あれ?これ聴いたことある、なんだっけ、なんだっけ、あ、Psychedelic Fursだ!ってテンション上がった。

 

あと、エリオがTalking HeadsのTシャツ着てるのも良かった。

20th century womanといい、80sものでTalking Headsよく使われてる。

今の時代から見てTalking Headsが良いのはわかるけど、本当にリアルタイムのときにこのバンド人気あったんかな、ってのは疑問に思う。

 

LBGTもの、別に嫌いじゃないけど去年から続いててもうお腹いっぱい。

そういうのばっかり見てる自分のせいでもあるけど、なんちゃら賞取ってるのだいたいLGBTものなせいでもある。

とはいえ、“Call me by your name. I call you by mine.” ってセリフは普通のストレートな恋愛ものじゃ機能しないし、見事だわ。

マーク・ジェイコブス&ルイ・ヴィトン ~モード界の革命児~


Marc Jacobs et Louis Vuitton Trailer

マーク・ジェイコブスルイ・ヴィトン、その高級なブランドイメージと対称的に、安っぽい映画だった。
この映画のカバーを観たときの違和感。

高級なブランドになればなるほどブランド戦略があって、文字は何色でどのフォントで、って決まってるはずなのに、こんなカラフルで良いの?って思った違和感が映画中で感じられた。
カメラが安っぽい、画質が安っぽい、画面サイズが安っぽい、カメラワークが安っぽい、エフェクトが安っぽい。

これをルイヴィトンが許したらあかん。
どうせアトリエを初撮影するならちゃんとしたとこに撮って欲しかった。

最近ドリスヴァンノッテンを観ただけに余計にそう思う。

ドリスヴァンノッテンを観た後、その服が欲しくなったけど、この映画ではそうならない。すでに知られてるからいいと思ってるなら大間違い。

映画としてはひどかったけど、マークジェイコブス自身はすごいな。

ルイヴィトンやめてからマークジェイコブスブランド始めたと思ってたけど、同時に2ブランドやってたことがあったんや。天才、というか頭おかしいな。insane.

マークジェイコブスはバンドTシャツみたいなのを着る人なのね。
ドリスヴァンノッテンにしろ高級ブランドのデザイナーは案外おしゃれじゃないのかな。

ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ


映画『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』予告編 2月23日(金)公開

ちょっと待って、その終わり方はズルいわ。

思ったより全体的に暗かったしあんまり好きじゃないなって思ってた、最後のシーンまでは。
もう何度頭の中で”girlfriend in a coma i know i know it’s really serious.”ってモリッシーが歌ったことか!
それがもう、最後のシーンでひっくり返された。


The Smiths - Girlfriend In A Coma (Official Music Video)

同じようなやりとりでも前後関係によって違うように見せるやり方がある。
例えば、ブルーバレンタイン
恋愛の絶頂にいるときと、破局が近いとき。同じ曲が全く異なって聞こえる。


映画『ブルーバレンタイン』予告 (日本語字幕)

その手法がこの映画でも使われている。
いや、ちょっと違うか。
どっちかというと、お笑いにおける天丼かな。
同じネタを何回もやるやつ。2回目以降みんなわかってるのに笑っちゃうやつ。

いや〜最後のシーン、あれズルいな〜あの終わり方好きだわ。

The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ

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映画を見る前に、原題の意味を調べてみた。

beguile【他動】
1.〔策略を用いて〕だます、欺く
2.だまし取る、〔だまして〕巻き上げる
3.注意をそらす、気を紛らわせる
4.楽しく過ごす
5.喜ばせる、楽しませる、魅了する

高校英語で習う通り、the + 過去分詞で「〜された人」の意味になるから、the beguildは「魅了された人」くらいの意味だろうか。
ポスターには女性が3人写っているけど男性が主役なんだろうな、と考えた。
(日本の広告ではしばしば主役がすり替えられる。)
(ポスターに実は主役も写っている。)

 


映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』本予告

予告編を見てバチュラーみたいだと思って(バチュラー見たことないくせに)期待してなかった。
でも、意外と良かった。
みんながソフィアコッポラに期待している画の綺麗さや女の子の美しさは存分に味わえるし、みんながソフィアコッポラにあまり期待していないストーリーもよかった。
前半と後半で対比的なのが印象的。
映画を観た後に原題を日本語にするなら、前半は「楽しく過ごした人」、後半は「だまされた人」にする。
そう、日本語にするなら使い分けなきゃいけなくなる。
beguileの意味を利用した絶妙なタイトル。
beguileに相当するうまい日本語はないから、わけのわからない副題を付けたくなる気持ちもわかる(わけがない)。

エルファニングは期待通りのビッチ役だった。アバウトレイみたいな役もいいけどエルファニングにビッチやらせたら無敵。やる気なさそうに耕してるシーンが最高。GIFにして欲しい。

音楽の担当はもちろんPhoenix
お互いの世界観が合わなくて夫婦喧嘩になったりしないのかな。
そこはソフィア・コッポラがトーマス・マーズをリスペクトしてるから大丈夫なのかな。

ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男


1月13日公開『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』

 

これだけ繊細な感覚を持ってて、色や形に強いこだわりのある人が、自身が着てるのはノームコアっぽいのが気になって仕方なかった。
インタビュアーに聞いて欲しかった。
「ところであなたはいつも同じような服を着てますよね?」

 

ワイシャツから丸首シャツが見えるのはずっとアウトだと思ってたけど、これだけ美感覚のすごい人がやってると自分が間違っていたのかと考え込む。
けど、やっぱなしだと思う。

 

エンドロールのメンズのコレクションかっこよかったし、映画終わった後にドリスヴァンノッテンぐぐってみた。
ディオールとかサンローランくらい値段はるのかと思ってたけど、ちょい下くらいで、買えなくないなと思ってしまった。
最近服に対する金銭感覚が崩壊している。

 

この映画で、redioheadのコリン・グリーンウッドさんが初めて映画音楽を担当している。
radioheadは得意じゃないけど、ジョニー・グリーンウッドさんの映画音楽は好き。
コリンさんの映画音楽も注目していきたい。